「Webライターは未経験者でも簡単になれる!」といわれても、これまでろくに文章を書いた経験がないとわずか300文字の文章ですらハードルが高いですよね。
私がライターとして初めて文章をかいたのは約10年前。当時、私は編集プロダクション(以下、編プロ)で情報誌の編集アシスタントのアルバイトをしていました。
そのとき、温泉宿の紹介ページを一部担当しましたが、キャプションと呼ばれる写真や図を説明する100文字程度の原稿ですらまともに書けませんでした。
たかが100文字に1時間もかかっていたのです……。
社員から大量に修正指示を入れられて「キャプションもまともに書けねえのかよ。使えねえ」とはっきり言われたことを今でも覚えています。
そんな私が未経験のときにライティングスキルを上げるのに役立ったことを5つ紹介します。
「クラウドソーシングのタスクが非承認になる」「仕事に応募してもテストライティングになかなか合格できない」などお悩みの方は参考にしてみてください。
目次
ブログを毎日書く
「文章が書けないのは単に書きなれていないだけ。文章上達の近道はいっぱい書くこと。日記でも何でもいいからとにかく毎日文章を書く習慣をつけな」
これは、編プロ時代に取材で一緒になったフリーライターのTさんから教わったこと。
100文字のキャプションも書けない私に対して、最初は優しかった社員も次第に冷たくなってきました。編集プロでは、締切が重なると3週間連続出勤や2日連続徹夜などもたびたびあります。
そんな激務を減らすために雇ったバイトが役立たずでかえって自分の仕事が増えたので、社員は腹がたって仕方なかったのでしょう。私も同じ立場だったら、相当イラッとしたと思います。
期間限定のバイトとはいえ、社員に冷たく当たられてツライのと自分の無能っぷりが情けなくて仕方なかったです。「どうすれば文章が書けるようになるんだろう??」という考えで頭の中がいっぱいでした。
そんなときに取材に同行したフリーライターのTさんに「どうやったら文章が書けるようになりますか?」「文才がない人は編集者やライターを目指しちゃだめなんですか?」など、いろいろと質問しました。
私の質問に対しての答えが冒頭の言葉。
Tさんに言われてからブログで毎日日記をつけることにしました。自分の思ったことや、今日一日の出来事、読んだ本の感想など500~1000文字の文章をブログに投稿することを習慣づけたのです。そうすることで徐々に書くピードが上がってきました。
「300文字の文章すらまともに書く自信がない!」という人は、ブログで文章を書く習慣を身につけることからはじめましょう。ブログを書くときに意識したいことは次の2つ。
語尾を統一する
文章の文末は「ですます調」か「である調」のどちらかに統一します。
「ですます調」と「である調」が混在していると文章のリズムが崩れて読みづらいですよね。文末が統一されていれば「ですます調」「である調」のどちらでも構わないのですが、私がこれまで経験したWebライターのお仕事の9割は「ですます調」でした。
そのため、Webライターの仕事に慣れる意味も込めて、可能であれば「ですます調」にすることをおすすめします。
1記事につき1テーマに絞る
1回のブログに書く内容を1つのテーマに絞ります。
あれもこれも書くと何のことについて書いた文章なのか読み手の印象に残らないからです。
実際にWebライターの仕事では、1つのテーマについて1000~20000字とか書くケースがほとんどです。「20代女性が抜け毛になる原因」「痛くないパンプスの選び方」など1つのテーマに関するハウツーを解説していきます。
そのため、ブログに書く内容はアクセスした人が「悩みが解決できた!」「面白い情報がわかった!」など役立つ情報を書くのがベターです。のちのブログの収益化(※)にも使えるからです。
※やり方次第でブログでお金を得ることができます。また別の機会に詳しく説明しますね。
しかし、いきなり役立つ情報と言われても文章を書きなれないとハードルが高いですよね。最初のうちは今日のあった出来事のなかで、ランチならランチのことだけと1つのテーマに絞って書くようにしましょう。
文字数はクラウドソーシングのタスクが300~2000文字なので、最初は500文字を毎日書くことを目標にしてみてください。慣れてきたら700、1000、1200字と少しずつ増やしてみることをおすすめします。もちろん500文字以上書けるのであれば、それ以上書いてもOKですよ(^^)
1つのテーマに絞って書くことに慣れるのが目的なので、書けるのであれば字数を気にせずに書いてしまって構いません。
自分が書いた文章を人に読んでもらう

自分が書いたブログを家族や友達に読んでもらって「すらすら読める?」と感想を聞くのも文章上達の近道です。
「なんで家族や友達なの?」って疑問に思う人もいますよね。本とちがってyahooニュースとかブログの文章って流し読みしませんか?
無料で手に入る情報なので読みづらかったり、面白くなかったりすると別のページにいったり、画面を閉じたりしますよね。Webは流し読みが基本なので、素人がさらっと読みやすい文章を書く必要があります。
ブログは不特定多数の人に見てもらえるメリットはありますが、投稿した文章が読み手にとって読みやすいか、読みにくいか客観的にわからないですよね。アクセスしてくれても「このブログ読みづらいなあ~」と思って、すぐに別のサイトに行ってる可能性もあります。
家族や友人など忌憚ない意見を言ってくれる人にブログを見てもらって、「読みにくい」と言われたときはどの辺が読みにくいか教えてもらうことをおすすめします。
文章の書き方のハウツー本を読む
人に文章を読んでもらって「読みづらい」とか「日本語がおかしい」と言われた場合は、基本的な文章の書き方を理解していないケースが多いです。その場合は、ハウツー本から基本的な文章の書き方を学びましょう。
文章の書き方の基礎を学ぶのにおすすめの本はこの2冊。2冊とも面白い文章を書くコツや速く書くテクニックというよりかは、文章の基礎ができていない未経験者向けの本です。
伝わる! 文章力が身につく本 (基礎からわかる“伝わる!”シリーズ)
「伝わる! 文章力が身につく本 (基礎からわかる“伝わる!”シリーズ)」はベテランジャーナリスト・小笠原 信之さんの著書。
私、冒頭で書いた編プロにバイトする前に、半年間週に1回程度編集の学校に通っていましたが、小笠原氏(※)はそのときの講師です。
※10年以上前のことで、途中で私は別業界に転職したので今は交流がありません。
今振り返ると学校自体は大したカリキュラムではなかったのですが、実務ではぜんぜん役に立ちませんでした。
しかし、小笠原氏の授業はわかりやすくて面白かったです。結構辛口の方ですが、課題の原稿の「どこがダメで」「どこを修正すべき」なのか、誰よりも的確にわかりやすく指摘してくださったことを覚えています。
本書のなかでも、文章の基本的な書き方のハウツーが例文、回答、なぜそう書かなければダメなのか、初心者にも理解できるよう簡潔に書かれていて小笠原氏らしいと思いました。
文章を書くことが苦手な人、文章が読みづらい、まわりくどいとか言われる人は手にとってみてください。
書くスキルUP すぐできる! 伝わる文章の書き方 確実に文章力がつく! 7つのステップ
「書くスキルUP すぐできる! 伝わる文章の書き方 確実に文章力がつく! 7つのステップ」はメール、企画書、プレゼン、ブログとシチュエーション別に文章のOK例とNG例が記載されています。
マナーにTPOがあるようjに、文章にもシチュエーションごとのTPOがあります。本著はそれの具体的を挙げて、初心者向けにとてもわかりやすく解説した本です。
「1文は短く書く」「1つの文章で同じ表現は省く」など、ライティングの基礎スキルについてもきちんと説明されているので、未経験者におすすめです。
ターゲットを意識しながら雑誌を読む

ターゲット(※)を意識しながら本や雑誌、Webサイトを読むことも、文章力アップに役立ちます。
年齢や性別など大まかにグループ分けした購買層・読者層のことを表すマーケティング用語。雑誌やWebサイトに載っている商品の見込み客。
(例)
都内在住の20代前半の未婚女性、30代前半の中間管理職のサラリーマンなど
ターゲットを意識して読むことで、ターゲットごとに言葉の使い方やトーンのちがいが見えてくるからです。
「近年」と「最近」は意味の近い言葉ですが、CancamとかJJのような女子大生や20代前半のOLをターゲットにしたファッション誌で「近年」という言葉を使うと堅苦しいと思いませんか?女性ファッション誌のような柔らかい言葉が必要とされる雑誌では「最近」という言葉を使ったほうがベターです。
一方、AERAのようなビジネス誌では「近年」という言葉を使っても違和感はありません。
Webライターの仕事も同じで、意味は同じでもメディアの雰囲気やターゲットごとにふさわしい言葉やトーンで原稿を書く必要があります。
ターゲットによる言葉の使い方を学ぶためにも色んなジャンルの雑誌や本を読んでみましょう。
Webサイトでもターゲットごとの言葉の使い方のちがいを学べますが、可能であれば雑誌や本など出版物を読むことをおすすめします。Webサイトは誤植と呼ばれる文字の間違いや日本語がおかしいものがあったり、信憑性に乏しかったりするものもあるからです。
特に雑誌は時間のないときでも読みたい部分だけ気軽に読めるし、文章のテンポもよいのでとても勉強になります。雑誌を読むことで最近の流行を知ることもできるのでかなりおすすめです。
雑誌代を節約したい人は図書館の雑誌コーナーにいけば、無料で色んなジャンル雑誌を読むことができますよ。
類語辞典をこまめに引く
類語辞典をこまめに引くことも語彙を増やして、ライティングスキルをアップさせる効果があります。
そもそも文章を書くのが苦手な人は、圧倒的に語彙が足りないケースが多いからです。
私は子供のころから本を読むのが好きで語彙力がある方と思っていましたが、Webサイトや本で調べた情報を自分の言葉でうまくまとめることができませんでした。
参照元のWebサイトや本の情報をそのまま書き起こすことはコピペと呼ばれる違法行為に該当します。
たまに参照元の文章の「てにをは」や文末表現を変えて原稿を作成する人がいますが、それもコピペとみなされます。調べた情報は必ず自分の言葉で原稿にしなければなりません。
参照元の情報を自分の言葉に言い換えて原稿をまとめるためにも、類語辞典で調べる習慣を身に着けることをおすすめします。
まとめ
自分の経験談をもとに、Webライター未経験者がライティングスキルをアップさせるための方法を5つ紹介しました。
- ブログを毎日書く
- 自分の書いた文章を人に読んでもらう
- 文章の書き方のハウツー本を読む
- ターゲットを意識しながら雑誌やWebサイトを読む
- 類語辞典をこまめに引く
ライティングスキルはすぐに上達するものではありません。コツコツと地道な努力を重ねることで少しずつ上達していきます。
「これなら自分も頑張れるかも!」と思ったものから少しずつはじめてみてくださいね。