TwitterやWebライターさんのブログを見てると
「クラウドソーシングは搾取案件だから、早く卒業すべき」
「直接契約のほうが単価が高いのでおすすめ」
などの意見をよく目にします。
実際に某メディアの編集やディレクターから、
「クラウドソーシングのライターは信用できない」
と直接聞いたこともあります。
昨年末にブログ経由で依頼を受けてから、私もクラウドソーシングの仕事が減り、直接契約の仕事が増えてきました。
確かにクラウドソーシングとちがい、直接契約は手数料なしで単価も高い傾向にあるので、自分の手元に入るお金は多いです。
しかし、状況次第では「クラウドソーシングのほうがラク?」と思う場合も少なくありません。
今年に入って本格的に直接契約の仕事を受けた感想と反省、改めて実感したクラウドソーシングのメリットをまとめてみました。
Webライターといっても、お客様やメディア、執筆するジャンルで仕事内容は全然違います。
一例として、「へぇ~そうなんだ~」と参考程度に考えてもらえると嬉しいです(*^^*)
目次
直接契約の仕事内容

私が2018年12月~現在までに受注した直接契約のクライアントを分類すると、こんな感じです。
- 企業のオウンドメディア
- 編集プロダクション
- Webマーケティング企業
- アフィリエイトサイト
それぞれの業務範囲、単価、メリット、デメリットを簡単に紹介します。
企業のオウンドメディア

私が受注した企業のオウンドメディアは、自社製品のブランディングやお問い合わせ件数を増やすために運営するWebサイト。
クライアントの主力業務は別にあり、オウンドメディアの運営は本業の販促活動の一つです。
業務範囲
案件によりますが、業務範囲はざっくり説明するとこんな感じです。
- 執筆
- 企画・構成案作成
- WordPress入稿
- KW選定
- アフィリエイトのリサーチ
- 週1の定例ミーティング参加など
クラウドソーシングより業務範囲は圧倒的に広いです。
単価
文字単価ではなく記事単価、時給で報酬を頂きました。文字単価に換算すると2.5~4.5円ですね。時給は1,500円でした。
メリット
ビデオ会議や電話でミーティングをする機会が増えるので、お客様との距離が近くなるところがメリットですね。
直接、コミュニケーションをとることで、お客様の意向もわかり、一緒にWebサイトを育てていく楽しさはあります。
色々と質問されて調べたことが、別の業務で役に立つことも少なくありません。
お客様との距離が近いので、「和気あいあいと仕事をしたい」「積極的に提案したい」人には、オウンドメディアの仕事はやりがいがあって楽しいでしょう。
デメリット
立ち上げたばかりのWebサイトなので、クライアントの担当者が発注慣れしていないところですかね。
本業がコンテンツ制作ではないので、制作の知識はあまりありません。
クライアントの制作方針や予算もあるので、私は自分の意見をあまり言いません。
しかし、「このまま進むとマズいかも…」と思ったときはさすがに意見しました。
その結果、お客様から電話やビデオ会議で、個別の相談やミーティングを受ける機会は増えました。
定例ミーティングを除き、個別の相談や打ち合わせの時間は基本的に無償です。話し合った結果、追加作業の依頼もあります。
追加で作業が増えるので、その都度、単価の見直しを行う必要があると思いました。
受注して何回か仕事をやってみないと、ミーティングの頻度や追加作業がどの程度増えるのかわかりません。
企業のオウンドメディアは単価が高くやりがいもあるけど、「業務範囲を明確に線引きしづらいかな?」というのが個人的な感想です。
定期的なミーティングや追加作業を依頼されたときの上手な交渉方法を学ぶことが、私の今後の課題ですね。
「クライアントの仕事がラクになる」「私も儲かる」と、両方のメリットになる良い方法ないですかね??
経験豊富な方、教えてください(*^^)v
編プロ・Webマーケの会社

編集プロダクションやWebマーケの会社では、エンドクライアントから受注したWebサイト(一部例外もアリ)の記事執筆を外部ライターに発注します。
ちなみにどちらも正式に契約を結ぶ前に、直接担当者とお会いしました。
業務範囲
契約前の初回の打ち合わせ以外は、制作以外の仕事は基本的にありません。
私が受注した仕事はSEOライティング、企業インタビューとセミナーレポートの取材で、業務範囲は以下のとおり。
- 記事執筆
- 構成・企画
- 画像選定
- インタビュー前の質問作成
- 取材
単価
報酬は記事単価で文字単価に換算すると、1.5~8円だと思ってください。
メリット
編集プロダクション、Webマーケの会社はコンテンツ制作のプロ。
プロの編集者やディレクターが発注するため指示内容が明確で、わかりやすいところが一番のメリットですね。
不明点が少ないので、質問メールを投げる機会がほとんどなく、作業効率が良かったです。
しかも、納品した原稿の赤入れが的確なので、とても勉強になります。
複数ジャンルの案件を持っているため納品した原稿の出来が良ければ、別案件も発注してくれることもありますよ。
初回、打ち合わせ以外は業務に専念できるので、黙々と仕事をしたい人には良いかもしれません(*^^)v
デメリット
クライアントとの直受けではなく、間に編集プロダクションとWebマーケの会社を挟むため、単価は期待するほど高くありません。
案件次第では、クラウドソーシングのほうが単価が高いことも……。
私がフリーになって受注した取材案件の最高単価は、クラウドワークス経由で受注したものです。
アフィリエイトサイト
法人アフィリエイター様ともやり取りしましたが、基本的な仕事の進め方はクラウドソーシングとほとんど変わりません。
ちがいは「手数料がない」「業務委託契約書のやり取り」ぐらいです。
文字単価も現在私が契約中のクラウドソーシングと同じくらいと思ってください。
ここが好き!クラウドソーシングのメリット5選

最後に直接契約の仕事をやって、「クラウドソーシングも悪くないじゃん。むしろ、結構好きかも」と思ったことを5つ紹介します。
仕事内容とクライアントとの相性によるので、参考程度に考えてください。
報酬未払いの危険が少ない
クラウドソーシングは報酬の仮払い制度があるので、報酬未払いを最小限に防げるのは大きいと思います。
幸い報酬関連のトラブルは経験したことがありませんが、直接契約は報酬が後払いの企業がほとんど。
先払いのクライアントもいるようですが、私は縁がありません。
私は基本的に法人の仕事しか受けないので、いざとなれば会社に請求できますが、後払いなので「本当に入金されるか?」といつも心配です。
ちゃんとした会社なのはわかっているけど、なんか心配なんですよ(=゚ω゚)ノ
そんなフリーランスのために未払いの請求書を買い取って、報酬を即日払いしてくれる【FREENANCE】と呼ばれるサービスが2018年にできました。
報酬の即日払いは3~10%の手数料がかかりますが、口座開設自体は無料です。
フリーランスにありがちな下記トラブルの保険もあります。
- 情報漏えいによるクライアント企業の営業損失
- 著作権侵害による損害賠償請求
- 何らかのトラブルによる納期遅延の損害賠償など
トラブルに巻き込まれた経験はありませんが、先のことはわかりません。私は保険のため、先日口座を開設しました。
ご興味のある方は下記リンクから確認してみてください。
請求書の作成が不要
クラウドソーシングでは、月末に請求書を作る必要がありません。
プラットフォーム上で事務手続きをすませるので、請求書を作る手間がかからないところも「クラウドソーシングは便利だな」と思いました。
直接契約だと月末に請求書の作成が必須で、この作業は地味に面倒くさいです(とても大事ですけどね)。
私は紙ベースで請求書のやり取りをした経験はありませんが、一部クライアントはいまだに紙で作った請求書を郵送しなければならないそう。
基本的にクライアントの請求フォーマットがあればそれに従いますが、ない場合は弥生会計のMisoca(みそか)を使えば、1分程度で請求書が作れます。月5通までなら無料で請求書が作成できて便利ですよ。
請求書だけでなく見積書や納品書も作れるので、興味のある人は下記リンクにアクセスしてみてください。
無料で使える クラウド請求書・見積書・納品書管理サービス Misoca(みそか)
契約前から単価がわかる
クラウドソーシングの一番良いところは、契約前に単価がわかること。
直接契約では、単価を明示して募集する案件は少ないです。
今のところ、Twitterやライター募集ラボの一部案件でしか見たことがないですね…(*^^)v
ブログやTwitter経由で依頼が来る場合も、最初から単価を明示してくれるお客様はほとんどいません。
まずは「●●のライティングの相談」と打診されるケースが多く、単価を教えてくれるタイミングはクライアント次第です。
単価は「仕事を受ける、受けない」の判断基準の1つ。
最初から単価が明示されていて、「仕事の受ける、受けない」の判断を早くできるところが、個人的にはクラウドソーシングの一番メリットだと思っています。
発注慣れしてるクライアントは作業に専念できる
私が今まで出会った文字単価2円以上のクライアントは、発注慣れしている方が多かったです。
初回スカウトから1~2回程度のメールのやり取りで、下記情報をすべて教えてくれます。
- 執筆を依頼するサイト
- 文字数
- 単価
- 納期
- レギュレーション
文字単価3円以上になると、契約前にビデオ面接をやるケースがほとんど。
しかし、執筆に必要な情報は全部面接で教えてくれるので、コミュニケーションコストはほとんどかかりません。
20%の手数料はとられても、時給換算するとそんなに悪くないと思います。
文字単価2円以上の好条件のスカウトもある
たまたまかもしれませんが、私が受注するクラウドソーシングの案件はテキスト納品が多いです。
2019年12月現在、文字単価2~3円で受注していて、そのうち1件は詳細な構成書つきなので、私のやる作業はリサーチと執筆だけ。
しかも、得意なモバイルWiFiの記事なので、時給換算すると一番効率のよい案件かもしれません。
報酬のわりに作業負担が多そうなのでお断りしましたが、単発で1本5~9万円の仕事のスカウトが来たこともあります。
文字単価10円の取材なし案件のスカウトを頂くことも(Web面接で落ちました)。
クラウドソーシングは、文字単価1円未満の搾取案件のスカウトが圧倒的に多いです。
しかし、プロフィールをガチで書き込めば、好条件のスカウトを頂くことも少なくありません。
そのため、直接契約にこだわらずクラウドソーシングを活用して、定期的にプロフィールを修正しています。
結論:仕事のやりやすさは案件とクライアントとの相性次第
直接契約は、記事単価や文字単価が高く手数料がないので、単純に報酬だけを考えるとクラウドソーシングよりも儲けは多いです。
単価が高くスキルが身につく仕事も多いけど、コミュニケーションコストがかかるので作業効率が下がることも少なくありません。
一方、搾取案件だらけと酷評されるクラウドソーシングでも、良心的な単価で依頼してくれるクライアントもいます。
良心的なクライアントは発注慣れしているので、コミュニケーションコストがほとんどかかりません。
報酬から20%の手数料が引かれても、時給換算するとかえって直接契約より割が良いことあります。
「直接契約はよい」「クラウドソーシングはダメ」と決めつけずに、「ストレスなく作業できる案件が一番」と気づいた一年でした。
来年もWebの片隅でよい仕事ができるように頑張ります。
ではでは、よい年の瀬を(*^^*)